カテゴリー「医療」の記事

耳垢をとってもらいに耳鼻科へ通う

 なんか、あまりきれいじゃないタイトルが多いですが、こういう話題は好まない方もいらっしゃるので、スルーしていただけるように、タイトルは具体的にしております。
 でも、こういう課題に限って学校ではやってもらえないし、すんなりとはいかないんですよね。

1.やっぱりきたか
 6月頃、学校から送られてきた耳鼻科検診の結果に
「耳垢がたまっています。・・・・掃除しましょう。」
と、書かれていました。(「一週間に一度は・・・」とか書いてあった気がします。)

 今年もまた、きてしまった。

 こういうことにいつも気を配ってしていらっしゃる方には信じられないかもしれませんが、
 実は、ひさ吉は、ここ数年、ほとんど耳掃除というものをしたことがありません。
 ふつーに考えると、とても恐ろしいことですが。。。
 (まだ、本人が幼くて力が弱い頃に、押さえつけて耳鼻科でしてもらったことはあります。)
 
 当然、毎年、春になると学校のほうで検診があって、同じような通知が来ることもあったのですが、何も通知が来ない年もあって「やっぱり大丈夫じゃん」と変に安心し(ひさ吉が大きく抵抗して、耳の中をよく見ることがきなかったのだということは容易に想像できますが)、
 しかも「要治療!」と書かれているわけでもなく、
 歯科検診のように治療して、お医者さんで治療終了のはんこをもらってその用紙を提出する必要もなく、
 なにより、本人も耳は聞こえている「みたい」だし、
 もう少し言うと、ちょっと私が覗いたくらいでは、何も見えないし、、、
というわけで、長年、放置されてきたのでした。

 耳掃除は、普通のお子さんでも嫌いなお子さんは多いらしいのですが、
 (私は子どもの頃、耳掃除をしてもらうのが大好きだったので、その気持ちはまったくわからないのです。。。)
 ひさ吉の場合、赤ちゃんの頃、耳垢掃除をしてもらおうと近所の耳鼻科にいったところ(親がやると危険だから耳鼻科に行くほうがよいと、育児書に書いてあったので。。。)、傷つけられて出血してしまい(母が本人をしっかりと押さえていなかったからなんでしょうが)、その後その治療のために3人がかりで押さえつけられて耳の中を吸引(?)などの治療をされた経験があり、そのせいかどうかわかりませんが、耳掃除には、異常に抵抗します。
 今でも、歯磨きの仕上げ磨きをするとき(耳掃除ではなく、歯磨きなのに!!)、近くに綿棒や耳かきがあると、必ず母の手が届かないところに置いてから、仕上げ磨きをしてもらう体制(寝転がり母のひざに頭を置く)に入るという念の入れよう。これも、たぶん、母に不意打ちで耳掃除をされそうになったという苦い経験から得た自己防衛策だと思います。(最近は、そういうだまし討ちはしてないんだけどな~。それでもまだ、彼の信頼を取り戻すには至っていないようです。)

 さて、今回もいつものようにスルーしようと思ったのですが、
 一生このまま、というわけにもいかないし、
 “成長して物事がわかるようになったら、おとなしく耳掃除をさせてくれる”というのも期待できないので、
 ちょっと“耳掃除”にチャレンジしてみようと思いました。

2.家で耳掃除にトライしてみる
 まず、耳かきなり綿棒なりを耳の中に入れさせてもらわなければ話になりません。ただし、いきなり竹製のものだと動いたりしたときに耳を傷つけそうだったので、傷つけにくそうな形状のもの(らせん状のものとか「のの字耳かき」とかシリコンのものとか)を何本か買いました。
 そして、毎晩、歯磨きの後に、耳かきで耳を触る練習をしました。いつも歯磨きの後にしたのは、本人が見通しを持てるようにするためです。
 はじめは寝ない状態で、耳かきで本人の頬とか耳たぶの辺りを触るところからはじめました。抵抗がなくできるようになったら、次の日に、今度はひざの上に寝させて、やはり耳たぶの辺りをさわれるようにし、できるようになったらそのまた次の日に、徐々に耳の穴に近いところを触れるようにする、というように、毎日少しずつやりました。
 ひさ吉が母の手を払いのけたりして抵抗することもありますが、無理せず、でも抵抗したところで止めるのではなく抵抗せずに触れるところをさわってその日は終わるようにしました。
 こうして、3週間ぐらいで手前のほうに見える耳垢は耳かきでとらせてくれるようになりました。

 ところが、もう少し中に入れると、ガリッという感触が。。。どうも中に固まっている部分があるようでした。この固まったものはどうしたものかと、インターネット等で調べたのですが、やはり素人の私が判断してするのはよくないと思い、いよいよ耳鼻科に行かなくてはと思い始めました。
 「歯医者さんでの治療」の成功体験もあったので、なんとかなるかもしれないという気にもなっていました。

3.耳鼻科に通い始める
 そこでまず、通うお医者さんを決めなければいけないのですが、同じ養護学校に通うお母さん方に伺っても、うちの子たちにとって評判のよいところはありませんでした。
 私としては、障害児(者)専門(そういう方がいらっしゃるかどうかはわかりませんが)というよりは、何度も通うつもりだったのでその利便性を考えて、地域で開業しておられて、できれば根気よく見てくれる先生を希望していました。
 で、結局、学校の校医さんのところに通うことにしました。ひさ吉の通う養護学校は、新設校ですので、その校医さんもおそらく長年にわたって障害児を診てきた、というわけではないと思いますが、学校に検診にもきておられるのである程度はわかっておられるのでは、と思ったからです。

 次に、診療をしていただくにあたり、先生への「お願い」をまとめて書いて、受付で渡しました。それには、
 
 ・耳垢をとることを希望していること。
 ・押さえつけずに、治療することを希望していること。
 ・押さえつけずに治療できるようになるまで、何度でも通うつもりであること。
  (歯医者では、小さな虫歯を治療してもらうまでに、20回ぐらい通いました。)
 ・治療で使う器具は、使う前に本人に見せたり、可能であれば触らせたりして、知らせるようにしてほしいこと。

というような内容を書きました。

 先生は、私の考えに同意してくださいました。

 初回の診察では、一度は診察用の椅子に座りましたが、椅子が上下すると驚いたのか、椅子から下りて診察室のあちらこちらをぐるぐると見て回り、また、足元のレバーで椅子を上下することを覚え、自分でレバーを押したりしました。(ただし、これは危ないのでやらないように伝えましたが、隙を見つけてはやっていました。)
 これらのことを何度か繰り返し、やっと椅子に座りました。この間、先生も看護婦さんも、ときどき椅子に座ることを促すものの、本人の様子を見守ってくれていました。
 耳を先生のほうに向けるため、椅子を回すと降りようとしましたが、2度めは大丈夫でした。
 耳鏡(ラッパのような形をした耳の中を覗く器具)を耳に入れようとすると拒否しました。2、3度試みましたがやはり拒否したので、今回は耳を引っ張るところまでとしました。

 2回目の診察では、診察室に入り、促されるとわりとすんなり(相変わらず、足元のレバーを押して椅子の上げ下げをする動作はしました。。。)治療用の椅子に座ることができました。
 あいかわらず、耳鏡を耳に入れるのは拒否、今回は、先生が額のところに丸い鏡がついた器具(額帯反射鏡というそうです)をつけて、頭上のライトをつけて耳を引っぱって覗く、ところまでやりました。
 耳鏡は、本人にも触らせてもらいました。 

 3回目の診察では、耳鏡を耳の穴に入れることができました。「5」数える間、おとなしくする、ことを目標としたのですが、「5」までは我慢できませんでした。今回は、「3」までとすると、「3」数える間はおとなしくすることができました。

 4~6回目くらいの診察で、耳鏡を耳の中に入れて「5」数えることができるようになり、その間に先生に耳の中を見ていただくこともできました。
 そこで先生は、ひさ吉の様子と、耳の中の状態から、耳垢をやわらかくする薬を入れて耳垢をやわらかくし、その耳垢を器具を使って吸い取ることを提案されました。
 ただ、耳垢をやわらかくする点耳薬は長期間使うと、耳の中がただれることがあるそうで、まずは点耳薬を入れる練習として、「ホスミシン」という点耳薬を処方してくださいました。この薬は、そのような炎症を起こすようなことがなく、また、その薬だけでも耳垢が取れやすくなることもあるということでした。
 また、耳垢を吸い取るときのために、耳鏡と吸引する器具の先とを貸してくださり、家で練習するように言われました。

4.とれた!(右耳)
 点耳薬を入れることに関しては、意外とスムーズにいきました。
 耳鼻科では、はじめはベットの上に横向きに寝させ、手の上に点耳薬をのせることからはじめ、次に耳に入れられるとすぐに耳に指を入れたり動いたりしましたが、3回目くらいには薬を入れさせてくれるようになりました。一滴目を入れるときはびっくりするようなので、「入れるよ、ポトーン」といって知らせるようにしました。
 家では、点耳薬を入れた耳を上にして10分くらいおとなしくする練習をしました。10分間もおとなしくすることができるのかと思いましたが、これは携帯電話のテレビなどを見せておくとすんなりとおとなしくしていました。

 この点耳薬を毎晩して数日たったある日、ひさ吉が右耳を触っていて耳の中を覗くと、なんかあるように見えたので、耳かきを入れてみると、茶色い耳垢がとれました。そして、また次の日、点耳薬を入れた後、耳かきを入れてみると今度は大きな耳垢がズルッと・・・(汚い話ですみません)

 きゃ~、とれた! ていうか、でかっ・・・ こんなものがはいっていたのか coldsweats01 

 そしてまた次の日も・・・3日とると、もう右の耳からは何も出ませんでした。

 ただし、同じように点耳薬を入れているのに、左の耳に変化はありませんでした。

 次の診察で耳の中を見ていただくと、右の耳の耳垢は多少残ってはいるものの、鼓膜が見えるくらい十分に耳垢はなくなっているとのことでした。先生曰く、耳垢が点耳薬によってふやけて出てきたということのようです。

 また、この期間、耳垢を吸引する器具のほうは、先だけなら耳の中に入れさせるのですが、耳鼻科で吸引する器具に接続して吸引しようとすると、断固として拒否していました。

5.とれた!(左耳)
 
右耳のほうは何とかなったのですが、左耳のほうは効果が無かったので、今度は耳垢をやわらかくする薬(「おくすり手帳」には炭酸水素ナトリウムとグリセリンと精製水と書いてあります。)と「ホスミシン」の両方を処方していただきました。
 ただし、耳垢をやわらかくする薬のほうは3日間だけホスミシンと併用して使用し、それ以外の日はホスミシンだけを点耳しました。そして、一週間に一度診察に行きました。

 診察に行って耳の中を見ていただくと、耳垢は柔らかくなっていて取りやすい状態になっているとのことでしたが、ひさ吉が吸引する器具を耳の中に入れることを拒否するので、また薬を入れて様子を見ながら、吸う器具が使えるように練習していこうということになりました。

 「吸引する器具」と私は勝手に言っているのですが、原理は歯医者さんの口の中の水分を吸い取るものと同じような感じす。形状は先に金属の長い筒(十センチぐらい、耳の中に入れるのでそんなに太くない)がついています。
 先生も、徐々に慣れさせようと、ひさ吉の手にその器具を当ててみたり、耳たぶ、頬、など徐々にやっていってくれましたが、どうしても耳の中に入れるのはダメでした。また、耳の中に入れるいうとてもデリケートな作業なので、怖がったひさ吉ががまんできなくてうごいてしまい、それも作業をできなくしているようでした。

 そんなことを繰り返していて、耳垢をやわらかくする薬を処方されて3週間くらい経ったころ、
 ある日、私がいつものように点耳薬を入れて、耳珠(顔側にある、耳の孔の入り口にある三角の出っ張り)何度か押していたら、耳の中に見える薬の中に耳垢が浮いてきたんです!
 これを耳かきですくい、また耳珠を何回か押す→すくう、を繰り返したら、だいぶとれた気がしました。もしかして、もしかして・・・

 そんなことを3日ぐらい続けたら、もう耳垢は出てこなくなりました。

 この耳珠を押すというのは、点耳薬を入れるときに、そのほうが耳の中まで入る、ということでいつも2,3回はしていたのですが、このときは何回もしました。もっと早くこのことに気づけばよかったかもしれないし、3週間経って耳垢がそういう状態になったかもしれないので、そこはなんともいえませんが・・・

 その後、診察に行って耳の中を見てもらうと、きれいになっているとのことでした。

 やった~ これで、両耳、耳掃除完了! good

 結局、十数回、耳鼻科に通いました。

6.「慣れる」ことができないこともある
 そんなわけで、一応両耳とも耳掃除を完了し、そのことには大満足です!
 ただ、当初考えていた「耳垢を吸引する」という方法で行うことはできませんでした。(先生は、そのこともある程度想定されていたようですが)

 私は、この耳掃除についても、歯医者さんのときのように、やることを示しながら、少しずつ本人の恐怖心だったり警戒心だったりをほぐしていけば、どのような治療もできるようになるのではと思っていました。
 実際に、耳かきを入れることができるようになったり、薬を点耳することもできるようになりました。
 ただ、吸引する器械に接続した状態でその先を耳の中に入れることだけはどうしてもできませんでした。(練習で、器械に接続していない状態で先のみを入れることはできたので、吸引時の音とか何か要因があったと思います。)

 今回の方法は、通常の医療でもおこなわれているような、“押さえつけて治療を続け、そのうちに本人が成長して抵抗しなくなるのを待つ”という方法よりは、かなり配慮していると思いますが、それでもやはり、

「慣れる」ことができないこともある

 
ということを私に改めて認識させてくれました。

 これって、実は私たちはよく知っていることで、
 例えば、高所恐怖症の人が簡単に高いところに慣れることは無いと思うし、犬が嫌いな人はやはり簡単に犬に触ったりできるようにはならないですよね。
 なのにどうしてそれを無理強いしたり、変人扱いしたりしないのかというと、私たちがその気持ちや感覚をある程度理解できるからだと思います。
 ところが、私たちにとって、その感覚が理解できないようなことになると、「我慢が足りない」「慣れればできるようになる」と思ってしまいがちです。そして、本人がそれに対しどれほどの恐怖感うや嫌悪感をもっているかを理解しようとせずに、それに耐えることを強要してしまうことが多いように思います。
 今回のひさ吉の場合、(私だったらある程度は耐えられるであろう)この吸引器を耳の中に入れられるという行為が、ひさ吉にとっては私たちの想像を絶するほどの嫌悪感や恐怖感を彼に与えていたということだと思います。(確かに耳は敏感ですしね。)

 私は今回のことで、それぞれ個人の感覚や思考が個別的であることを認識し、それに沿ってそれぞれに合った方法を考えていくことはもちろん大切なことですが、
 ときには、「諦めが肝心!」とまでは言い切れないですが、目的そのものの見直しとか、方針の転換とかを柔軟に行っていかないといけないなぁ、ということを強く思いました。 なんかまとめすぎて、ちょっときもちわるいな~。

 最後に、長い間、治療に付き合ってくださった耳鼻科の先生に感謝したいと思います。
 先生は、「本当なら1、2回で済むところを、何度も来てもらって・・・」と、とても気にしてくださっていたのですが、それはこちらが望んでいることなのに、とかえって申し訳なく思いました。

 

     よろしかったらクリックお願いします。 にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ にほんブログ村 子育てブログ 障がい児育児へ にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

| | コメント (15)

歯医者さんでの治療

昨年末、ひさ吉の歯科治療が終了しました。
診察券の裏の予約の記録を見ると、昨年の6月からほぼ2週間に一度の割合で16回通ったことになります。
というと、どれだけ虫歯があったんじゃ~!
ということになんですが、虫歯は初期のものがたったの一本、しかし、この虫歯を削ってつめるまでに16回もかかってしまったのです。
ただし、これは決して歯医者さんの腕が悪かったのではありません。
むしろ歯科の治療に対して人並み以上の抵抗を示す自閉症児のひさ吉に対し、
患者の立場に立った、非常に協力的な歯医者さんであったが故のことです。
今までのひさ吉の歯科における治療のことを考えれば、いくら感謝してもし足りないほどです。
先生、歯科衛生士のお姉さんはじめスタッフのみなさん、ほんとうにほんとうに、ありがとうございました。

1.歯科医院遍歴
昨年の春にこちらに引っ越してくるまで、前の町でひさ吉は4件の歯医者さんにかかりました。
はじめの3件の歯医者さんは、押さえてでも治療するという方針で治療してもらっていました。
おそらく、それぞれの虫歯の状態も放置できない状態であったということもあったと思います。
私は、子どもは歯医者では泣くものだ、と思っていたので、その治療方針に疑問を抱くことは無く、暴れるひさ吉を治療してもらえるだけでもありがたい、と思っていました。
でもやはり、治療室から泣き叫ぶ声が聞こえてきたり、抵抗して汗ぐっしょりになって疲れた様子で診察室から出てくるひさ吉を見ると、とても切ない気持ちになり、
他の自閉症の子が「泣かずに治療を受けている」という話を聞くと、そのお母さんに聞いてその歯科医院に変わるというのを繰り返していました。
今思うと、この頃、押さえつけられて治療を受けるということを長く続けていたことが、ひさ吉の歯科及びその他の医療行為への抵抗を強くしてしまったのではないかと、親として反省しています。

4件目の歯医者さん「O歯科」も自閉症の子を持つお母さんに紹介してもらったのですが、「押さえつけて治療しない」という方針の歯医者さんとのことでした。
私はそのとき初めて「押さえつけて治療しない」という考え方があることを知りました。
「O歯科」でのはじめての診察は、一度は診察室に入ったものの、すぐに泣いて出てきてしまいました。でも、そこで無理に連れ戻されることはなく、待合室でいすに座って歯科衛生士のお姉さんと歯を磨いてその日の診察は終わりました。
そのときのひさ吉の歯は、以前治療してつめたものが取れて大きな穴が開いていたのですが、それはそのまま放置ということになり、「そのままでいいのかしら」とも思いましたが、乳歯で本人も痛がっていないようなので(普通だったら痛かったりしみたりするんでしょうが、感覚的に普通と少し異なるからなのか、ひさ吉がそれを意思表示することはありませんでした)、それ以上進行しないようにフッ素塗布や歯磨き等をしながら、治療ができるようになるまで治療はしない(できない)とのことで、私は「それもアリなんだ。」と、なぜかほっとして帰りました。

この「O歯科」さんに約一年、20数回通いました。
初診では診察室に入れなかったひさ吉でしたが、次の診察では診察室のいすに座ることができ、その次にはエプロンを付けることができ、回を重ねるごとに、歯を磨いてもらうことができるようになったり、診察室のいすに仰向けで寝ることができるようになったり(この仰向けで寝るというのはひさ吉にとってとても不安らしくかなり苦手)・・・、と本当に少しずつできることが増えてきて、一年を終わる頃、やっと歯に開いた大きな穴に仮詰めをしてもらうことと、器械でクリーニングをしてもらえるところまでたどり着きました。
この歯医者さんの診察室はあまり大きくなく、付き添いが入れるスペースが無かったため、実際にどのようなアプローチをしてくださったのかはわからなかったのですが、たまに診察室で説明を受けるときに見た感じでは、担当してくださった歯科衛生士さんがとてもよくしてくださり、どのくらい自閉症の知識があったかは定かではありませんが、押すところと引くところを心得ているようで、少しずつできることを増やしていってくれたようでした。

さあ、いよいよ治療らしくなってきたぞぉ~っ、と思っていたところで引越しをすることになってしまいました。せっかくいい歯医者さんにめぐり合えたのに、また一から捜しなおさなければならないかと思うと、どっと疲れてしまいましたが、そんなことは言ってられません。
さっそく新しく住む地域の歯医者さんをインターネットで調べてみると、「自閉症児OK!」なんて書いてあるところはありませんでしたが、意外に「押さえつけて治療しない」という歯医者さんが多いことに気づきました。どのHPもきれいで、院長先生の治療方針がきちんと書かれているものが多く、その中からうちの子に合いそうな歯医者さんをいくつかピックアップしておき、最終的に「K歯科」さんが転入する養護学校の校医さんでもあったので、診察を受けてみることにしました。

「K歯科」さんでは、はじめにひさ吉の様子の聞き取りのようなものがあり、一通り今までの経緯をスタッフの方にお話させていただきました。
診察のほうは、初回はいすに座ってエプロンを付けるところまではスムーズでしたが、先にミラーが付いた器具以外は、口に入れようすると手で払いのけていました。その後、数回ほどでミラー以外のその他の器具(電動でないもの)を入れても大丈夫になりましたが、電動の器械のほう(削ったり、吸ったりするもの)のほうはそれらがかかっている台が近づくと手で遠くに押して、拒否していました。
これらのひさ吉の様子から、今、虫歯の箇所を削るのは難しいと判断されたのか(ここは母の想像です)、数回の診察の後、とりあえず虫歯のところに何か詰める治療をしようとしてくださいましたが、ひさ吉は頑固にそれらを払いのけ、うまくいきませんでした。治療後、今のままでは治療は難しいので、月に一度ほど母親の負担の無い程度で通って、徐々に慣らしていったらどうかということを提案され、帰りました。

帰宅後、月一よりももう少し頻度を上げないと前のことを忘れてしまうし、これまでの診察での様子を踏まえてもう少し久宗のことをお知らせしなくてはと思い、「K歯科」の先生にメールをさせていただきました。「K歯科」さんはHPをお持ちで、そちらにアドレスが書かれていたのです。どこの医療機関でもそうですが、基本的に先生はお忙しいのでゆっくりお話もできないし、私のようにじっくり考えてから伝えなければならない場合には、メールアドレスが公開されていたのはとても助かりました。
私はどれだけ回数を通ってもよいから、治療できるようになるまで通わせていただきたいという旨をお伝えしたところ、快いお返事を頂きました。

2.治療に向けて
治療に向かっての練習が始まるのですが、その中で歯科衛生士さんのほうから、治療できるようにするには、
① 治療用のいすを倒した状態で枕に頭をつけてきちんと寝ることができること。
② 一定時間、動かず口を開け、手も出さずにいられること。
③ 治療に必要な器具、器械を口の中に入れることができること。
が、必要であるという明確な目標が設定されました。

これに対し、私のほうからも、
① きちんといすの上に寝ていることができないのは、何をされるのか不安だからなので、何をするのか、使う器具などを見せてからやることで解消できること。
② 治療中、ずっとおとなしくしているのは無理なので、声を出して「10」数えれば、その間はなんとかじっとしていられること。(「10」を声を出して数えることで、「終わり」に見通しがもてるので我慢できる)
③ 手が出てきたら、「きをつけ」と言えば手を体の横につけるので、手で払いのけるのを防ぐことができること。(拒否しよういう気持ちが強くて手が出ている場合はダメだが、無意識に出てきているような場合は使える。)
④ 器具、器械に関しては、かなり抵抗があるが、きちんと見せたり、可能であれば触らせたりすることで抵抗が少なくなること。
⑤ 初めての器具、器械など、初回は心構えができていないので拒否するかもしれないが、2回目からは抵抗が少なくなることが多いこと(ほとんどがそうであった)。
というようなことを、その時々で伝えさせてもらいました。「K歯科」さんの診察室は十分なスペースがあり、私も付き添って見学することができたので、それぞれの場面で必要なことを伝えることができました。

毎回の診察の流れは、
1.歯磨きをしてもらう。
2.器械でクリーニングしてもらう。
3.各器具、器械を口の中に入れる練習。
といったものでした。

2.のクリーニングは、器械という点(あの削る器械と同じ系列と本人は思っているでしょうから)でかなり抵抗があったようですが、作動している状態で触らせてもらったり、体を起こした状態でやってもらったりすることで、抵抗が無くなっていきました。
また、1.2.の歯磨きとクリーニングは、かなり早い段階で慣れてしまったのですが、きちんといすに仰向けに寝て、「10」数えている間はおとなしく「きをつけ」をしてやってもらう、という練習になりました。
3.では、治療に必要な器具や器械を、見せたり触らせたりしながら、口に入れれるようにしていただきました。一度に何本もできるようにするのは難しかったので、毎回の診療で一本ずつOKな器具を増やしていっていただきました。はじめて見たときは拒否しても、次の診察ではOKのものが多かったです。
私としては、あのキーンという歯を削る器械に関しては、他の器具、器械と違って心配だったのですが、3.のところで練習しました。
他のところはほとんど歯科衛生士さんがしてくださっていたのですが、この削るところは先生しかできないので先生が何回かに分けて練習してくださいました。
その練習は大体こんな感じでした。
1:刃をつけずに本人の目の前で3秒間(又は1秒間)、作動させる。
2:刃をつけず、本人の口の中で作動させる。
3:本人の口の中で、水を出しながら作動させる。
というステップを、実際に歯を削る前の数回の診察で徐々にステップアップしていき、

そして、ついに! 実際に虫歯の箇所を削って治療してもらうことができました!!

実は、そのあとにちょっと落とし穴があって、
先生が虫歯を削ってくださったまでは良かったのですが、そのあと先生が器具を持ってそこを詰めようとしたところ、ひさ吉が抵抗!
ここまできて!?と思ったのですが、
歯科衛生士のお姉さんがやってくれたら、抵抗無くやってもらっていました。
考えてみれば、先生は削る器械の練習はしてくださっていたのですが、「先生が」ミラー以外の器具をひさ吉の口に入れる練習はしていなかったのです。。。
ほんとうに、ごまかしがききません(笑)

私は、今回のことで、小さなステップの積み重ねの大切さを改めて思い知らされました。

そして、
我々のような特異な患者のニーズにも応えてくださった「K歯科」さんはプロだな、と
生意気にも思いました。

 

     よろしかったらクリックお願いします。 にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ にほんブログ村 子育てブログ 障がい児育児へ にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

| | コメント (0)