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ひさ吉のコミュニケーション行動 2009

 ここ2、3年、3月になると、ひさ吉の家庭でのコミュニケーション行動についての記録とっています。(前回は2008年と2006年でそのときの記事は、こちらです。)
 
 記録の仕方としては、「そのときの状況」-「トポグラフィ」(どのようにして伝えようとしたか)-「伝達内容」(本人が伝えたかったことをセリフにして記録する)を、2週間の間、重複しないものだけを用紙に記入していきます。
 2週間というと長いようですが、平日は帰宅後で時間は短いですし、ひさ吉のコミュニケーション行動は残念ながらまだそんなに多くないので、逆に2週間ぐらいでやっとほとんどのパターンが出るといった感じです。
 今回の記録は、こちらです。

 「com2009.pdf」をダウンロード

 無発語のひさ吉をよく知っている方は、「音声」によるコミュニケーションが加わったことを私が思っている以上に喜んでくださいます。私ももちろんうれしいですが、世の中では、発語が「ある」のと「ない」とでは、伝えている内容は同じでも評価は大きく分かれる感じがしますね。

 ただ「音声」が加わったといっても、まだ習得過程のものが多くて、完全に自発的に言うのは、「お・か・し」「お・ふ・ろ」だけです。
 あとの「あ・け・て」「お・か・わ・り」「ふ・り・か・け」は、すでにサイン(動作)、指差しによる方法を習得しているので、そちらをやってから母がその要求をかなえないと、音声のほうに切り替えるといった具合です。つまり、まだ完全には音声によるコミュニケーション手段としては習得していないのですが、記録として残すため書いておきました。

 これらの音声を促す取り組みは、ほぼ同時期に取り組み始めたのですが、「お・か・し」のほうがはるかに早く自発的に出るようになりました。
 これは、ひさ吉がくいしん坊だからというのもあるかもしれませんが、他の手段よりも、「より簡単に」「より確実に」要求をかなえられるからだと思います。
 つまり、以前のひさ吉のおやつの要求は、
「母のところへ行って肩を触るなどして注意をひいた後、台所を指差して母を台所のお菓子のあるところに連れて行き、お菓子のある場所を指差す」
というようにしていたのが、
「『お・か・し』と言うだけ」
になったんです。音声のほうが、ぜんぜん便利ですもんね。

 他の「あ・け・て」「お・か・わ・り」「ふ・り・か・け」に関しては、食事中などでバタバタしていて、音声でなくても母が要求をかなえてしまうことがあるのと、本人にとって不得意な音声のほうが他の手段に比べて「より便利というほどでもない」ということかな、と思います。

 私自身、何がなんでも「ことば」とは思っていないので、すでに習得しているものに関しては、声掛けはするけれども言葉のみに執着することがないようにやっていこうと思います。
 やはり、「伝わる」ことが大切ですよね。

 さて、この記録をとった後、興味深い記事を見つけました。
 BOGEYさんという方が「コミュニケーションサンプル」に関する記事(「実態把握のためのコミュニケーションサンプル」「コミュニケーション・サンプルフォーム」)を書いておられ、
 私がとった記録もそれに近いものだと思うのですが、私の記録には「機能」という項目がありませんでした。
 機能は、BOGEYさんの記事によると、「要求」「注意喚起」「拒否」「説明」「情報提供」「情報請求」「その他」に分けられるそうです。(詳しくはこちらの記事に書いておられます。)

 私自身、今まで「手段」のほうにより注目してきていて、その伝えている「内容」に関してはあまり考えてきませんでした。
 そこで、3回分の記録に関し、それぞれのコミュニケーション行動について機能を分類し、数を数えてみました。

<機能別のコミュニケーション行動の総数>

   要求 注意喚起  拒否  説明 情報提供 情報請求 その他
2009年3月    40     2     3     1     6     0     1
2008年3月    32     2     1     1     4     1     0
2006年3月    27     0     1     4     2     0      0

 また、手段に関してもその数をそれぞれ数えてみました。

<手段別のコミュニケーション行動の総数>

   音声  サイン  指差し   物 クレーン
2009年3月     8    13    19    10     0
2008年3月     1    20    10     8     0
2006年3月     0    10     8    11     4

 これをみると、手段に関しては年々、より高度な(?)手段のほうに移行してきていますが、機能に関しては圧倒的に「要求」が多く、多少「要求」以外も増えてきてはいるものの、その増え方は僅かです。
 逆に、2006年には、ガイドブックや広告などを見ながら、以前行った場所や知っているものなどを指差しして、「これ知ってるよ~。」(想像ですが)みたいな行動があったのですが、そういう行動は消えてしまっています。これは多分、私がそういう行動に対してあまりいい反応を示さなかったためだろうと、反省しました。

 今後、やはり「要求」以外のコミュニケーションも増やして行くためにどうしたらよいかということを勉強していかなければいけないと思うのですが、ひとつとしては、そういう本人のコミュニケーション行動の意図をうまく汲み取ったり、相槌を打ったりというようなことをしていく必要があるのかな、ということを思いました。

 

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コメント

ぴさままさんこんにちは!
大変丁寧なコミュニケーションサンプルだと思います。定期的にサンプルをとることによってお子さんの成長がきちんと確認できますね。
自閉症スペクトラム児のコミュニケーションの発達段階では、クレーンが消えていき、音声が増えていくということはいろいろな報告や書籍で紹介されていますが、実際にお子さんで実感されたことはとてもうれしいことですね。
私は「要求」がたくさん増えていくことが、その他の機能が増えていく源泉になっていると考えています。ですから、とにかくたくさんの「要求」が表現できるようにカードやサインを工夫してあげることが大切だと思っています。それらの要求が多様になってきたときに音声としてあらわれてくると考えています。
今、できないことを要求するのではなく、今できることを量も質も高めてあげることが一番大切だと思っています。
いつもお子さんのためにがんばっているぴさままさんにエールを送ります。
これからも今のスタンスで頑張ってくださいね。そして今までがんばったご褒美をひさ吉さんとご自分自身にもプレゼントしてあげてくださいね。

投稿: BOGEY | 2009/04/10 22:47

BOGEYさん
 とても励まされるコメントをいただきありがとうございます。
 「要求」の質・量の充実を図っていくことが大切なのですね。これならなんとか進むべき方向がわかる気がします。急に無理せず、もっといろんな要求を汲み取ってそれが表出できるよう取り組んでいけたらと思います。もう少しで、先の見えないほうに進んでいくところでした。適切なアドバイス、ありがとうございました。
 私はこうしていろんな方からコメントをいただいたり、ひさ吉の成長を実感することができて、いつもたくさんのご褒美をいただいているのですが、ひさ吉へのご褒美って、こちらはそのつもりでも、本当に喜んでいるのかな、ご褒美になっているのかな、なんて思ったりします。
 でも最近、ひさ吉が嬉々とした表情で自信を持っていろいろな手段を使って要求している様子を見ていると、これが一番のご褒美なのかなと思ったりします。親の自己満足かもしれませんが。。。

投稿: ぴさまま | 2009/04/11 09:04

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